本来であればDIR EN GREYのTOUR2020「疎外」の初日にあたるKT Zepp横浜公演が行われるはずだったこの日。新型コロナウィルスの影響により、いくつかのライブ日程とともに延期となった。
また、週末は東京都から外出自粛要請が出され、それに呼応し関東の東京都周辺県からも東京への外出自粛要請が出された。
個人的には2月のsukekiyo公演を見送り、DIR EN GREYまでおあずけの状態で、久しくライブに行っていない。
メンタルも崩れ出し、なんとなく自暴自棄になりはじめていた。その変化は顕著で、ネガティブな感情がふつふつと湧き出し、どんどん膨張していくのを日に日に感じていた。
社会情勢は悪化の一途を辿っているように見受けられ、誰かが誰かを無責任に批判するニュースばかりが目に止まる。
自分では不安や恐れは感じていないつもりでも、どこかしら拭えない焦燥感がストレスとして心身に降り積もっていたようだ。
そんな中、突然決定したDIR EN GREY初の無観客ライブとその中継。かねてより京が言う「観客が1人もいなくても同じステージができる」という言葉を知っていて、当然出来ると確信する我々ファンにとって、降ってわいた僥倖に歓喜しかなかった。
ライブの状況については、今のところアーカイブが公開されているため各位確認できるものとなっているのでレポートは省き、感じたことをそのままに書く。
ライブ中に、世界各国のファンが同時にこの隔絶空間を目の当たりにし、同じ想いを共有したこの事実はこれからの一人一人の戦いに大いに糧になる事だろう。
かくいうぼくも心を強く持ち、これからも生きていこうと再決心できた。
こんな世の中、文字通り明日には死ぬかもしれない。それなら今を死ぬ程生きるしかないんじゃないのか。
ナビゲーターとして呼ばれたLADIESROOMのSEXX GEORGE氏は主張していた。音楽とは衣食住の後に来るものなんかじゃない。音楽は我々人間の本能だ。
「音楽で世界は変えられない。でも聴いた人の人生は変えられるかもしれない。」かつて、東日本大震災後にリリースされたアルバム「DUM SPIRO SPERO」の映像でToshiyaが言っていたことを覚えている。
音楽に救われ、音楽に生かされている。そんな人間が世界中からインターネットを通じて同じ時間と想いを共有した。その事実だけでぼくたちは強くなれる気がする。
「この世界で」生きねば
All together we can unite the world
Until the next time we'll see you