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【ネタバレありレビュー】THE LAST OF US PART Ⅱ「プレイしない理由がない」

発売からちょうど1ヶ月、クリアしました。「THE LAST OF US PART Ⅱ」素晴らしいゲームでした。

ネタバレありの感想を書きます。

ネタバレありです。

この記事は物語の核心に触れます。

この記事を読むと結末がわかるかもしれません。

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ゲーム初期に思っていた印象がプレイ後に全く別のものに変わる

このゲームはプレイヤーの感情がかなり大きく揺さぶられるゲームです。そして、それに伴ってゲームに対する印象も大きく変わります。

特に海外では、ゲームに対する評価が賛否両論で炎上しているらしいですが、その原因もここにあると言えるでしょう。

まず、プレイ前は「前作は希望に向かうストーリー、今作は絶望に向かうストーリー」だと思っていました。

トレーラーからも「復讐」がキーワードであるように見て取れます。ジョエルとエリー、特にエリーが殺戮の修羅道に落ちていく様が描かれるのではなかろうかと、そう思っていました。

しかし、プレイ後には思っていた印象の方向は、なんとなく間違っていなかったけど、まさかこっちの予想をここまで大きく覆してくるなんて・・・という気持ちになりました。

「プレイしない理由がない。このゲームでしか味わえない体験だった。」

良い意味でも悪い意味でも素晴らしい体験でした。この言葉は使いたくありませんが、未プレイの人に向けて表現するのであれば間違いなく神ゲーです。

ただし、人を選ぶ。いや、それすら陳腐な表現でしょう。正しくは、人は選ばない。プレイした多くの人の感情が、製作者の意図通りに大きく揺れ動かされることになるでしょう。それは間違いありません。

そして、プレイするなら間違いなく絶対に前作からです。

前作からのプレイなしでは、最高のゲーム体験ができません。そして可能であればDLCもプレイしてから今作をプレイしてください。

エリーの想い、ジョエルの想い、アビーの想い

登場人物全員の感情に触れられるのは、その全てのストーリーに触れてからでないと不十分でしょう。

感情移入せずにはいられない

このゲームは、もしかしたら精神的に健全な状態でないとダメージを受けてしまう恐れがあるのではないでしょうか。

とにかく感情操作が凄すぎる。

過去・現在の時系列だけでなく、視点の移動(エリーとアビー)により感情の振れ幅が非常に大きなものになっています。

上でも書いた通り、エリーとジョエルの2人旅がまた始まるのかとワクワクしていました。しかし、冒頭でエリーの目の前でジョエルは殺されます。これにより、前作からプレイしてきた人は全員思ったはずです。

絶対に殺してやる。絶対に殺してやる。絶対に殺してやる。

憎んでも憎みきれない。エリーと同様の感情がプレイヤーに宿ります。

そして、復讐の旅へと出るエリー。

挿入されるさまざまな回想シーンは、復讐のボルテージはどんどん高めていきます。でも、ターゲットを一人一人消していく中、本当にこの人間を殺してしまっていいのか?殺してしまうほどのことをしたのか?

あれほど憎んできた人間たちに対して、名状しがたい何かしらの感情をいただき始めます。そして、殺した相手が妊婦だったことを知り狼狽するエリー。おそらくエリーも心の中でどこかしらにユーザーと同じ迷いが生じていたのだと思います。

その後、唐突にプレイ視点がアビーに変わります。今まで憎みまくった主悪の根源であるアビーをプレイヤーが動かすことになるのです。

この違和感。

なんで、こんな奴でプレイしなければいけないんだ。何のために?エリーだけでいいだろ?

そう思いました。

しかし、ふと気が付く。こちらは知らなかっただけで、アビーにも過去があり、仲間がいて、人生がある。そして、なぜジョエルを殺したのか、殺さなければいけなかったのか。

確かエリーもアビーも同じようなセリフを言っていました。「だって、あいつは今もどこかにいるんだよ。何とかしなくちゃ」

自分の大切な人を奪ったあいつを絶対に見つけ出して殺さなければ。

アビーという人間を知り、ぼくはアビーへの感情移入をしていることを知りました。本当に殺さなければいけないのはエリーであり、ジョエルだったのです。

エリーを殺さなければ終われない。

今まで自分がプレイして感情移入していたキャラクター、それに対して憎悪を向け殺さなければいけないと思ってしまう。

これだけではない。

物語が一旦終わり、ハッピーエンドを迎えたと思ったのも束の間。それは、まだ続く絶望への突端に過ぎなかった。

そして、ここでトミーもエリーとアビーと同じようなセリフを言う。

全部終わったと思ったのに、湧き上がる憎しみ。全部を終わらせにさらに旅立つ。

そして最後

この結末にもきっと賛否があるでしょう。でも、2人の死闘を見て誰しもが思ったはずです。

もうやめてくれ。もう争わないでくれ。

もう終わりにしてくれ。もう誰も死なないでくれ。

ぼくは思います。

エリーは守るものができ、

アビーにも守るものがあり、

ジョエルにも守るものがあった。アビーの父親も。

だから、全ての行いは正しい。

エリーはきっとトミーに嘘をつくだろう。アビーを殺したと。それはジョエルがエリーについた嘘と同じ。必要な嘘。

ただ、それは語られていない。農場を出るエリーのぼんやりとした後ろ姿で物語は終わります。そこに何を感じるのか、どう思うのか。

製作者側がユーザーの想像に託している部分でしょう。だから続編がなくDLCもない。

これこそがラストオブアス

そして、それは前作でも同じだったはず。なのに、今回のPART Ⅱが生み出された。そう思うと、ここまでが一連の物語であり、ここで完結したのだと思います。

ここまでを通して、“家族”の話だったのだと思いました。

親から受け継がれる想い、子は守る立場になってようやくそれを理解した。

そういう話だったんだと思います。

しんぺーはこう思った。

今作でマルチプレイモードがつかない理由がなんとなくわかります。

今作は、これ「だけ」

これだけで本当によかった。

そして、またいつかこの世界観でマルチプレイができることを待っています。

と言ったところで本日は以上です。おやすみなさい。

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  • この記事を書いた人

しんぺー

ハロー。しんぺーと申します。 LIVEにいくのが好きなバンギャです。男ですが。DIR EN GREYとsukekiyoの東京公演にはだいたいおります。主にLIVEレポやガジェット関連のことをブログに書いております。フォローいただけますと幸いです。

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